旧帝国大学、早慶、TOCKY、東京六大学どこが最強の大学か？マナビバ調査！

「旧帝国大学」や「早慶」など、よく知られた大学群があります。

近年では国公立大学の難関大学を集めた有力な大学群である「TOCKY」が出てきました。一方で、受験とは関係ナシに、学生野球の伝統的なリーグである「東京六大学」のような存在も広く世に知られています。

そういう大学群は全国で多数あり、マナビバの記事「大学群を完全網羅！全国の大学群をマナビバ調査！」にもあるように約50ほどのグループに名前がつけられています。

今回は、その数ある大学群の中で、最強はどこなのか？という疑問にマナビバがお答えします！

旧帝国大学

＜別格の国立７大学＞

「旧帝国大学」とは、以下の７大学を指します。

• 東京大学
• 京都大学
• 大阪大学
• 東北大学
• 名古屋大学
• 九州大学
• 北海道大学

明治時代になって間もない1872年に学制が発布され、　1886年に日本で最初の大学として東京大学が開設されました。

それ以降、次々と国立の帝国大学は設置されていきます。

設立年	発足時の大学名	現在の大学名
1886年（明治19年）	東京帝国大学	東京大学
1897年（明治30年）	京都帝国大学	京都大学
1907年（明治40年）	東北帝国大学	東北大学
1911年（明治44年）	九州帝国大学	九州大学
1918年（大正7年）	北海道帝国大学	北海道大学
1924年（大正13年）	京城帝国大学	ソウル大学校
1928年（昭和3年）	台北帝国大学	台湾大学
1931年（昭和6年）	大阪帝国大学	大阪大学
1939年（昭和14年）	名古屋帝国大学	名古屋大学

以上のように、19世紀終盤から20世紀前半までの53年あまりで当時の日本に帝国大学の名のつく学校が９校設立されています。現在の韓国ソウルや台湾にも帝国大学が創られていました。

日本では1918年（大正7年）に「大学令」が発令されて正式に大学を名乗れるまで、大学は東京帝国大学の１校だけしか存在していませんでした。

一方、専門学校令により認可されていた日本の私立大学は、帝国大学とは違い、名前こそ大学であっても実質は専門学校でした。

このように、「旧帝国大学」の約半数が少し先に大学として始まり、続いて有名私立大学が誕生し、さらに残りの「旧帝国大学」が設立されていった経緯があります。

日本の歴史の中でも「旧帝国大学」は設立のされ方からして別格と言えます。

現在でも旧帝国大学の７大学でスポーツの対抗戦が実施されています。「７帝戦」や「７大戦」などと呼ばれています。

既によく知られている東京大学と京都大学の説明は割愛し、残る５大学を簡単に紹介します。

東北大学は、特に理系に関して扱っている分野が広いのが特徴です。医学、化学、建築、デザイン、物理、数学、放射線など、非常に多くの分野を東北大学では扱っています。

国内ではなかなか扱っている環境が限られる学問を学部生のころから学ぶことが出来ます。また学生一人当たりに対する教授の人数が他の大学と比べてもかなり多く、自分の学びたい分野について専門にしている教授が揃っているのも強みです。

キャンパスが広く、自習室や教室、研究室、図書館など、学生が普段から利用するスペースが非常に充実していて、場所に困ることは滅多にありません。

大阪大学では、社会に間もなく出ていく学生に対して、一定の専門知識を身に着けて、専門教育以外に必要とされる知識や能力を与える教育として「知のジムナスティックス科目制度」をスタートさせました。

また、大阪大学が実施する「CIS（カップリング・インターンシップ）」は、広域アジアものづくり技術・人材高度化拠点形成事業の一環として2013年から開始されているインターンシップのグローバル人材育成プログラムです。

図書館には、グローバル・コモンズという共同学習スペースが設けられています。学生同士の交流スペースとして活用されており、可動式の机、椅子、大型ディスプレイ、プレゼンなどの設備が充実しています。

名古屋大学は、2020年4月に岐阜大学と運営法人を統合しました。日本初の事例となる、一法人が複数の国立大を運営する「東海国立大学機構」が誕生しました。

この両大学の情報、技術、教育教材や研究成果などの知的資源をデジタル化し、企業や市民、他大学など社会に広く公開する「デジタルユニバーシティー構想」を進めています。

社会人の学び直しや、高校生が大学の講義を受けることもオンラインで可能にする計画や、企業等から提供された「生きたデータ」をもとに実社会の課題を分析し、その解決を図る「実践データサイエンティスト育成プログラム」も注目されています。

九州大学は、留学生の受け入れ体制や留学制度が充実しています。世界の様々な国や地域の大学と協定を結んでいるため、来日する留学生が多いだけでなく、希望すれば海外留学にもスムーズに行くことができます。

また、理系学部は文系学部に比べて偏差値の高低の差が大きく、学部学科によって入試での難易度の変化もやや激しい特色があります。

一般教養科目を学ぶ１年次は全学部生が糸島半島の伊都キャンパスで、２年次以降は学部により、伊都、病院、大橋のキャンパスに分かれます。キャンパスによって雰囲気が異なり、それぞれ別の大学であるかのように感じるところがあります。

北海道大学は、札幌駅から徒歩５分で入口まで行けるため、想像以上に都会の大学です。その一方で、大学のキャンパスは広大で、地下鉄の北12条駅から北18条駅、さらに北24条駅の３駅分まで範囲があります。

入学後の勉強は、２年目の前期まで一般教養課程が中心になるものの、その後の専門課程へ進んでも学部間の垣根が低いのが特徴です。専門に特化して講義を取得することはもちろん可能ですが、他学部の講義を受講することも可能になっています。

入試の難易度は旧帝国大学の中では易しめということもあり、北海道だけでなく全国から旧帝国大学への入学を目指して学生が集まってきます。学食に行くと関西弁が多く聞こえるなど、様々な出身地の人と交流できます。留学生も多数います。

＜旧帝国大学の難易度＞

東京大学

京都大学

大阪大学

名古屋大学

東北大学

九州大学

北海道大学

以上が「旧帝国大学」の難易度です。

早慶

＜私立の２トップ＞

「早慶」とは、以下の２大学を指します。

• 早稲田大学
• 慶應義塾大学

日本の私立大学は、旧帝国大学とは違い、名前こそ大学であっても実質は専門学校でした。それが、1920年（大正9年）の大学令により、８校が日本最初の私立大学として認可を得ました。

改めて大学になったのは、東京の慶應義塾大学、早稲田大学、明治大学、法政大学、中央大学、日本大学、國學院大学に、京都の同志社大学で計８校です。

その中でも、数少ない大学で野球をはじめとする学生スポーツ競技の対抗戦が始まり、非常に注目されました。世間では大きな楽しみの一つとなり、新聞でも大きく報じられました。そこで出てきたのが「早慶戦」です。

両校の歴史は非常に長く、明治期より政界・財界・学界・言論界などあらゆる方面に多くの人材を輩出してきました。

とりわけ、早稲田大学は創立者で首相となる大隈重信などが政界で活躍し、慶應義塾大学は学閥の三田会で知られるように財界にその影響力を発揮しています。

「総合商社・大手５社採用数」トップ１０

順位	大学名	採用数
１位	慶應義塾大学	１４９人
２位	早稲田大学	１１５人
３位	東京大学	７６人
４位	一橋大学	４２人
５位	京都大学	３９人
６位	大阪大学	３８人
７位	上智大学	３３人
８位	神戸大学	２５人
９位	上智大学	１６人
１０位	青山学院大学	１１人

◇５大総合商社：三菱商事、三井物産、住友商事、伊藤忠商事、丸紅

学生の就職先として非常に人気の高い総合商社にも、その業界ならではのランキングが存在し、実際に学生がその企業を選んで就職しているという側面と、企業側が欲しい学生という側面の両者が揃ったランキングといえます。

首位の慶應義塾大学が群を抜いていますが、２位の早稲田大学も他を他を大きく引き離し、１００人超えとなっています。

＜早慶の難易度＞

早稲田大学

慶應義塾大学

以上が「早慶」の難易度です。

TOCKY

＜志願者が多い国立の難関５大学＞

「TOCKY」とは、以下の５大学を指します。

• 筑波大学
• お茶の水女子大学
• 千葉大学
• 神戸大学
• 横浜国立大学

以上の５大学は、共通テストと二次試験で試験科目が多いという面を考えれば、学力レベルはだいたい早慶と互角ではないか、と言われています。

人気のある国公立大学トップ２０校

順位	大学名	所在地
１	東京大学	東京都
２	筑波大学	茨城県
３	京都大学	京都府
４	大阪大学	大阪府
５	名古屋大学	愛知県
６	東北大学	宮城県
７	神戸大学	兵庫県
８	九州大学	福岡県
９	北海道大学	北海道
１０	一橋大学	東京都
１１	千葉大学	千葉県
１２	横浜国立大学	神奈川県
１３	お茶の水女子大学	東京都
１４	静岡大学	静岡県
１５	鹿児島大学	鹿児島県
１６	三重大学	三重県
１７	広島大学	広島県
１８	山形大学	山形県
１９	東京工業大学	東京都
２０	茨城大学	茨城県

以上のように、旧帝国大学と一橋大学を除くと、「TOCKY」が他の国公立大学より上位にいます。

筑波大学の起源は、学制発布の明治５年（1872年）にまでさかのぼり、日本で最初の教員養成所として創られた師範学校が始まりです。1973年に東京教育大学がつくば市へ移転するのを契機に筑波大学に名称変更しました。

筑波大学は「学群制」を採用し、専門分野に偏りすぎないよう幅広く学べます。一般的な◯◯学部という枠組みではなく多角的な視点で学問に取り組める特徴があります。 緑豊かなキャンパスでみっちり勉強でき、都心へのアクセスも抜群です。

お茶の水女子大学は、国立の女子大学では国内最高峰です。明治８年（1875年）に東京女子師範学校が開設されて以来、女子の教員養成と女子教育の普及を掲げ、一貫してこれを続け、現在に至っている名門校です。

少人数制による高度な専門教育が持ち味で、「複数プログラム選択履修制度」「21世紀型文理融合リベラルアーツ」を設けるなど、常に時代の先端を進む女性の教育を実践しています。

千葉大学は、学部としても法政経学部や園芸学部などの珍しい学部があり、千葉大学ならではの特色を打ち出しています。キャンパスは千葉市を中心に５ヶ所に分かれ、国立の総合大学としての規模は全国でも上位に入ります。

千葉大学は、関東圏で屈指の難関大学です。東京大学、一橋大学、東京工業大学は別格ですが、関東圏でそれらに続く大学という評価をされています。

神戸大学は、一橋大学に次いで全国で二番目の官立高等商業学校が前身です。旧帝国大学の７校にこの神戸大学、一橋大学、、東京工業大学とを合わせて「七帝＋一工神」という大学群で呼ばれるなど、難関大学として認知されています。

また関西圏では「京阪神」と呼ばれる京都大学、大阪大学、神戸大学がビッグ３の特別な扱いの大学になっています。「TOCKY」の中でも抜きん出た存在です。

横浜国立大学には、日本を代表する環境研究所である「環境科学総合研究所」があり、また都市に特化した研究ができる「都市科学部」もあるなど、これからの時代に重要度が増す都市生活及び都市構造の進展について学ぶことが可能です。

さらに「経営学部」では様々な企業との連携を行い、現に経営を行っている人たちから経営について学ぶ実践的な機会が設けられています。関東圏では千葉大学と並んで現代の社会を研究できる大学として存在価値の高い大学です。

筑波大学

お茶の水女子大学

千葉大学

神戸大学

横浜国立大学

以上が「TOCKY」の難易度です。

東京六大学

＜伝統ある学生リーグの草分け＞

「東京六大学」とは、以下の６大学を指します。

• 東京大学
• 早稲田大学
• 慶應義塾大学
• 明治大学
• 立教大学
• 法政大学

この大学群だけは受験の用語で言う難関大学を集めた括りではなく、明治時代に始まった学生スポーツの野球リーグの名称です。

たまたま難易度の高い大学が集まっていますが、それは時代背景としてまだまだ大学が特別な学校で、ごく一部の人しか進学できない時代だったため入学する学生は優秀なのが当たり前でした。

したがって東京六大学という呼び名の出所としては、優秀かつ家庭の経済力があり、勉強だけでなく逸早く学生スポーツの部活動を始めるくらいの力がある学生を集めた大学で、それが東京に６校あって野球のリーグを作った、という経緯になります。

それくらいの付加価値や当時では他に比べる対象がないくらいの時代の最先端を行くブランド的な存在感があるのが東京六大学野球リーグでした。学力も高かったのが当然で、それが現代にも残っている、ということです。

海外の野球を日本に導入するなど、現代風に言えば流行を先導するインフルエンサーのような役割も担っていました。そういう観点から、東京六大学野球リーグは受験の難易度で括る大学のグループとは全く別の意味での名称という特異な存在です。

大学名	平均偏差値
東京大学	７１
慶應義塾大学	６９
早稲田大学	６８
明治大学	６４
立教大学	６２
法政大学	６０

このように、難易度も高いです。

国立の東京大学に私立の２トップである早稲田大学と慶應義塾大学を擁し、さらに「高校生の行きたい大学」で人気１位となる明治大学、語学に強いミッション系の代表格である立教大学もあるなど、相当なレベルの高さがあります。

強いて「最強か」のエントリーに疑問を言うなら法政大学の代わりに上智大学や青山学院大学あたりと入れ替わっていれば更にレべルが高かった、というくらいのものでしょう。

単に学生スポーツの団体名では片付けられない伝統的な知名度のある大学群が東京六大学です。

＜東京六大学の難易度＞

東京大学

学科・専攻・その他	日程方式名	共テ 得点率	偏差値
文科一類	前期	９０%	６９
文科二類	前期	９０%	６９
文科三類	前期	９０%	６９
理科一類	前期	９１%	６９
理科二類	前期	９１%	６９
理科三類	前期	９４%	７４

早稲田大学

慶應義塾大学

明治大学

立教大学

法政大学

以上が東京六大学の難易度です。

まだある！超強力な「東京一工」

実は、上記の有力な大学群と比べて、優るとも劣らない最強クラスの大学群があります。

それは、「東京一工」です。以下の４大学を指します。

• 東京大学
• 京都大学
• 一橋大学
• 東京工業大学

この４大学は、国立の２トップである東京大学と京都大学に、国立で社会科学系のトップである一橋大学、国立で工業系のトップである東京工業大学という、日本のトップ４と言っても言い過ぎではないハイレベルな大学の４校です。

旧帝国大学の７校にも似ていますが、旧帝国大学で下位の北海道大学や九州大学が入らずに文系と理系で最上位の一橋大学に東京工業大学を入れた「東京一工」は、単に難易度という意味ならほぼ最強です。　

また、大学卒業後の就職先でも一橋大学と東京工業大学は出色で、大企業の採用試験でも引っ張りだこです。ここでは、この２校について説明します。

一橋大学では、各学部の専門の科目と「全学共通科目」という一般教養の科目を受講するのですが、必修科目と選択科目で構成されているので、自分の好きなような時間割を組みやすくなっています。

ゼミナールを中心にした少人数教育を行なっており、ゼミでは７〜８人の授業を行なっています。密度を濃く行うことで通常の講義形式よりも双方的に指導を受けることが可能となります。

就職時も強みを発揮する大学で、内定率と国家公務員の試験合格率は極めて高い数字を出しています。優れた人材を輩出する大学と言えます。

東京工業大学では、科学・技術について、その面白さや奥深さ、社会を変える力があることなどを、自ら学び考え、創造力や表現力を磨きます。

また、学生も理系っぽさがある学生が多く、研究色の強い大学です。講義自体も１年次より一般教養科目を学びつつも、専門的な科目に触れることも可能です。

このカリキュラムにより、専門分野を究めることに加え、関連する分野やその社会的な背景や関連性も習得できます。実社会で応用の利く学びが得られるため、社会からも東京工業大学の出身者は歓迎されます。

ただ、「TOCKY」と同様に一般社会では「東京一工」と言われても何のことだかわからない、という人のほうが多く、あまり馴染みのない大学群です。

これは、予備校などが受験の難易度で一定のレベルの大学を集めてひとまとめに括った表れです。しかも難易度が非常に高いため、平均的な高校生の学力では一橋大学や東京工業大学がどれくらい凄い大学なのかピンと来ません。

平たく言えば世間では「東京一工」の括りは知名度が低く、上層部を除く大半の受験生には関心を持たれていないのが現状です。

＜東京一工の難易度＞

東京大学

京都大学

一橋大学

東京工業大学

　

以上が「東京一工」の難易度です。

まとめ

今回は、「旧帝国大学、早慶、TOCKY、東京六大学どこが最強の大学か？マナビバ調査！」のテーマで書き進めました。

歴史と伝統、大学の規模の大きさ、研究実績などを見ると、総合的には「旧帝国大学」の７校に軍配が上がるのではないでしょうか。

他の視点では、全国の受験生や一般市民すべてを含めた知名度、マスコミなどへの露出の多さでは「早慶」が最もよく知られていると思われます。

ただ、受験生の間では、人気も高く難関である、という点で「TOCKY」人気が上昇している面があります。

また、学生の多さや知名度、受験者数の多さ、昔から馴染みのある呼称、など大学群としての登場頻度では「東京六大学」に分があります。特に東京大学と早慶が一緒になっている所もポイントです。

番外では「東京一工」が抜きん出ているというところも異論はないでしょう。

今回のような大学群を幾つも見ることで、入試の難易度や各大学の特徴が把握できたことでしょう。

５大商社採用大学ランキング（ダイヤモンドセレクト編集部調べ）

パスナビ

https://passnavi.obunsha.co.jp/

河合塾

https://www.keinet.ne.jp/university/ranking/

マナビジョン

https://manabi.benesse.ne.jp/daigaku/hensachi/

東進

https://www.toshin-hensachi.com/

日本の学校

リクルート進学総研

大学通信