今回は、大学の「学部選び」についてご紹介します。大学選びについては色々と考える人は多数いますが、それと比べると「学部選び」をじっくり考える人が比較的少ないようです。
大学選びの一つの基準に「有名かどうか」「就職の状況はどうか」などはよく聞きます。そういう選び方も一つの方法です。ここに、それらと同じく重要な考えとして「学部選び」があります。では、学部というのはどのようなものがあるか、見ていきましょう。
【学部選び】の前に考えたいこと
自分のやりたいことを明確に
まず最初に、自分が描く将来の夢や職業、あるいは取り組んでみたい分野がないか、いま一度振り返ってみてはいかがでしょう。もし、やってみたい仕事、なりたい職業、将来の夢、などがあるのなら、そこに向かえる学部を選びましょう。
学部の前に文系理系を考える
既に文系か理系かが決まっている人は、それぞれの進む学部について考えて行きましょう。
大抵の高校生は学部を選ぶ際に、さしあたって自分が「文系」なのか「理系」なのかを見て、それに合わせて学部を選んでいる人が多いのが実情です。では、文系と理系にはそれぞれどんな学部があるのかを知りましょう。
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文系にはどんな学部がある!?
では、文系の学部から見ていきましょう。
大学では、学問領域を大きく3領域に分けていますが、文系には「人文科学」と「社会科学」という2つの学問領域があります。
人文科学の学部とは?
- 文学部
- 教育学部
- 教養学部
- 芸術学部 など
社会科学の学部とは?
- 法学部
- 経済学部
- 経営学部・商学部
- 社会学部
- 福祉学部 など
文学部については「文学」の部ではなく、「文」の「学部」ということが注意点です。文芸作品の鑑賞や研究を専門とする学部という勘違いをする人が例年います。歴史などの文化や語学、教育、心理、社会などに関わる広い範囲を学び、その中に日本や外国の文芸作品の鑑賞や研究をメインとする日本文学科や英文学科などがある、という認識が必要です。
では、文学部を例に、どんな学科があるのかも見てみましょう。大学によっては「人文学部」や「文化学部」といった名称が付けられている場合もあります。
文学部の学科の例
- 日本文学科(国文学科)
- 外国語学科
- 歴史学科
- 言語文化学科
- 哲学科
- 社会学科
- 教育学科
- 心理学科
- 宗教学科 など
以上が文学部の主な学科です。近年は、文学部の中から独立して新たな学部になったものもあり、その一方で複数うの学部が合体したような新しい学部も多数設置されています。
このように、「学部」の中に「学科」があります。学科のことも検討して進路を決めましょう。
人文科学系の学部について
人文科学は、言語や歴史、哲学などを主体とする人間の文化的な側面を学びます。この勉強には正解がなく、自由な観点から研究できる特徴があります。このような視点で研究活動をしたい人にはオススメです。
人文科学の学部は学べる範囲は広く、 学生生活としても他の学問領域と比べれば少しだけ余裕があります。
人文科学の学部で、「文学部」以外の学部には以下のような学部があります。
教養学部
人間社会、文化・文明と科学技術との関わり、現代社会の問題など幅広い教養を身につけ、総合的なものの見方と考え方、柔軟な理解力と思考力を養うのは「教養学部」です。大学で幅広い教養を身につけたい人にはオススメです。これに外国語の能力や知識を合わせた「国際教養学部」も近年は増えています。
教育学部
子供から大人への発達の過程や教育についての研究をする「教育学部」があります。人を教育したり、子供の感情や思考について学ぶため、心理学も学習します。教育関連の仕事に就きたい人にはオススメです。幼稚園教諭、小学校教諭、中学校教諭、高等学校教諭などの免許を取るコースがあります。
芸術学部
美術や音楽など芸術に関わる学科があるのは「芸術学部」です。絵画、彫刻、声楽、音楽、演劇、写真などそれぞれのプロとして独立したり、芸術文化に関わる企業・団体に所属して活動します。非常に高い技術と感覚、感性、センスが問われる一方で、収入を得るのは簡単ではないのが実状です。本当に心から一生を懸けて取り組みたいという強い意志と情熱があり、作成に携わりながら講師や指導者も目指したい、という人にオススメです。
社会科学系の学部について
社会科学の学部には、どのような学部があるか、見ていきましょう。
法学部、経済学部、経営学部・商学部、社会学部、福祉学部(または社会学部福祉学科 )、国際関係学部などがあります。社会科学では、人が集団の社会として生活していくための仕組みについて勉強します。
社会科学の学問は、人文科学よりも少し理系の要素が入ります。データの収集と分析や理詰めの思考も必要な場合があるため、そこが得意な人にはオススメです。
法学部
人が社会で暮らしていくうえで、法律がなぜ必要なのか、実際に法律がどのような使われ方をしているのかなどを研究するのは「法学部」です。公務員や弁護士、司法書士、社会保険労務士、裁判官、行政書士などを目指す人にオススメです。民間企業でも法学部の出身者は歓迎される傾向にあります。
一般的に法学部は、文系全体で最も難易度の高い学部と言われています。
経済学部
経済の動きの基礎となっている経済学の理論「マクロ経済」と「ミクロ経済」を中心に学ぶのは「経済学部」です。商社、流通、メーカー、銀行、証券、金融業界、小売業、IT関連など幅広く就職しているため、ハッキリ就職の方向が決まっていない人にもオススメです。経済学部から公務員を目指す人も多数います。
経営学部・商学部
企業の経営や組織のマネジメントについて学ぶのは「経営学部」です。また、実際の企業と連携した実践的な勉強が多いのも経営学部の特徴です。自ら会社を起業してみたい人にはオススメです。
また、モノやサービスを効果的に売るための仕組みづくりについて専門的に学ぶのは「商学部」です。マーケティングや商品企画をしてみたい人にはオススメです。
社会学部
個人と集団との関わり合いを考え、社会の実態や動向についてインタビューなどの調査やマスメディアの研究などをしていくのは「社会学部」です。労働・医療・生活文化・ジェンダー・福祉・サブカルチャー・家族・地域社会など、多方面の観点から幅広く世の中について研究したい人にオススメです。
福祉学部
人間一人ひとりがどうすれば自分らしく幸せに生きられるかを探求し、福祉や介護の現場で実習するのは「福祉学部」です。まだ現在は社会学部の中の福祉学科という編成の大学が多いですが、医療と福祉に特化し、座学だけでなく、現場の実習が多のが特徴です。病院や介護施設などで働きたい人にオススメです。
観光学部
産業、地域振興、文化など多角的な面から観光を考えていくのは「観光学部」です。フィールドワークも交えて国内外の観光を研究し、旅行業の実務も学べます。その他、観光を地域の活性化につなげるための政策研究なども勉強します。旅行業、ホテル業や地域振興に携わりたい人にオススメです。また、これに語学力が加わると航空業界でも活躍が可能です。
かつては珍しく目新しい学部でしたが、近年はよく知られるようになってきています。
総合政策学部・政治経済学部
現代社会の様々な問題について、解決・改善に導けるよう具体的な政策を考えるのが「総合政策学部」です。フィールドワークなどの課外授業が比較的多いのも特徴です。また、政治と経済を結びつけて総合的に考える学部は「政治経済学部」です。
その他に、法学部の中に「政治学科」として編成されている大学もありますが、いずれも政策や行政について考える際、法律や経済、政治が互いに関連しているという認識の下で勉強します。行政関係やNPO・NGOの職員、公務員になりたい人にオススメです。
人文科学と社会科学の中間の学部について
- 国際関係学部 ・国際教養学部
- 人文社会学部
- 生活科学部・家政学部
- 心理学部 など
以上のように、人文科学と社会科学の両方に股がるような中間の学部、あるいはどちらにも入れられないような学部は意外とあります。順に見ていきましょう。
国際関係学部
世界との結びつきを考える学部は「国際関係学部」です。高校までの社会科の政治経済と地理を混ぜたような感じですが、実際に外国の文献や資料を見たり、世界の人々とのコミュニケーションを経験する目的もあるため、語学力が必要になります。そういう国際関係学の性質から見ると、人文科学と社会科学の両方に股がっているといえます。世界を相手に勉強したい、国際的な仕事をしてみたいという人にオススメです。
人文社会学部
幅広く人文科学全般を学びつつ、それらの見地から社会について考えていくのは「人文社会学部」です。社会学の延長ともいえますが、多様な文化や価値観、歴史の変遷などもたどりながらより広範囲に勉強します。一部の大学では「応用社会学」の名でマスメディアの研究をしたり、政治経済について歴史的な考察をする専門分野もあります。多角的な視点で学部・学科の枠にとらわれずに研究したい人にオススメです。
生活科学部・家政学部
衣食住の全般にわたって現代社会に適した形で生活のデザインをするのが「生活科学部」または「家政学部」です。かつては家政学科は女子大学で専門に学んでいた傾向が強く、男性は実質的に入学できないような状況が長年続いていました。
それが近年は、衣類と生活道具、健康と食品、高齢社会に合わせた住宅のデザインなどを総合的に考えなければいけない時代になり、学問として取り組むようになってきました。家庭生活全般を学問として勉強したい人にオススメです。
心理学部
人間の心について実験や調査などを通じて科学的に研究していくのは「心理学部」です。なお、大学の学部・学科の編成上は文系の学部として分類されていますが、心理学は精神医学と同様の医療系と考えれば理系色が強い学部といえます。医療関係やカウンセラーを目指す人にはオススメです。臨床心理士は大学院への進学が必須です。
理系にはどんな学部がある!?
理系は「自然科学」という領域になります。文系には人文科学と社会科学がありますが、理系=自然科学という認識でほぼ間違いありません。大学に入学後も必要な物理、化学、生物、地学、数学などの知識について、自分の得意・不得意もよく考えた上で学部を選びましょう。
自然科学の学部とは?
- 理学部
- 工学部
- 理工学部・情報科学部
- 農学部・畜産学部
- 水産学部
- 獣医学部
- 医学部
- 歯学部
- 薬学部
- 看護学部
- 健康科学部 など
自然科学の学部は理系をひと括りにしているため、学部の数そのものが多いです。
理学部
高校で習う理数系の科目が大好きで、大学でもその続きをしたい人にむいているのは「理学部」です。地球の気候や地質、宇宙、ウィルスに関する研究など、自然科学全般をさらに専門的に学びます。例えば現代の大きな課題である地球温暖化を解決したい、など解明されていない事柄を研究しようという人にオススメです。数学科、物理科、化学科、生物科、地学科などがあります。
理学部の学科の例
- 数学科
- 物理学科
- 化学科
- 生物学科・生命化学科
- 地学科・地球科学科 など
上述の文学部の中に幾つもの学科があったように、理系の学部の中にも多くの学科があります。入学後は具体的にどんな勉強をしていきたいか、よく考えて学部を選びましょう。単に有名だから、偏差値が高いから、という理由では入学後に大変な目に遭うのは自分自身です。
工学部
モノを造る研究をしたい人に向いているのは「工学部」です。大別すると、機械系、自動車・輸送機器系、IT・情報系、建築・設備系、電気・電子系、化学・素材系、生物工学系、その他の系統、という分け方になります。例えばロボットの製造なら、機械系と電気・電子系とIT・情報系をそれぞれ勉強し、それらを総合して考えていきます。機械の部品から巨大な建築物、ミクロ単位の繊維まで大小を問わず様々な「ものづくり」を研究したい人にオススメです。
理工学部
理学と工学の両方の立場から総合的、学際的な研究を行うのが「理工学部」です。理物理・化学の分野で高度な研究をする「理学」と、物理や化学を土台にしてモノを造ることに活かせる技術を身につける「工学」との両方を合わせて学んでいくのが「理工学部」です。情報処理学科、建築学科、電気電子工学科、土木工学科、機械工学科などがあります。理学と工学の両方とも研究したい人にオススメです。
近年は、情報科学科を理工学部の中で設置する大学もあります。コンピューターを駆使し、コンピューターの開発や活用について考えます。
農学部
農業や林業に関すること、人類と自然の共生について学ぶのは「農学部」です。人間が生きていくために、食糧資源の安定供給をどう進めるか、自然と人間が共生できる環境をどう作っていくかも勉強します。地球環境には限りがあり、それを解決する上で最も注目されている学部の一つです。遺伝、育種、栽培、作物、土壌、園芸などの他、先端のバイオテクノロジーや生態系、マーケティング、気象などの分野を学びたい人にオススメです。
また、農学部には畜産学科を編成している大学もあります。酪農、養鶏、養豚などについて学びます。獣医学部との連携も必要です。
水産学部
主に海洋、河川、湖沼などに棲む生物について学び、また水産食品に関する生物の増殖、漁獲、加工、流通まで水産業全体を研究するのは「水産学部」です。魚介類や海草などの水から収穫できる産物を研究対象とする「水産学」と、水産学で蓄積されてきた技法を科学的に検証していく「海洋学」とを学びます。漁業や水産食品の生産に携わりたい人にオススメです。
医療系の学部にも幾つかある!
医療系の学部は、理系の学部の中ではまた特有のグループ化されて分類され、「医療」という大きな括りの中で幾つかに分かれています。順に見ていきましょう。
医学部
医学・医療に関する研究と教育を行うのは「医学部」です。医師を目指す人は、医学部を卒業することと医師の国家試験に合格することが必須条件です。その専門的な特性から、大学側が受験生に対して高い学力を求められます。病院で働く医師(臨床医)になりたい人、研究施設で研究医になりたい人、国の機関や施設で医療系の技官を目標とする人にオススメです。
歯学部
歯の専門医である「歯科医師」になるための知識を身につけるのは「歯学部」です。医学部と同様に、歯科医師になるには歯学部を卒業することと歯科医師の国家試験に合格するのが必須条件です。口腔の健康状態を改善し、病気の予防と治療を行うための研究をします。歯科医師の他、近年注目されている歯学と医学の連携にも興味がある人にオススメです。
獣医学部
動物の病気の診断・予防・治療について学ぶのは「獣医学部」です。医学部、歯学部と同様に獣医学部の卒業と獣医師の国家試験の合格が必須です。今後は、遺伝子工学や分子生物学を応用して家畜の品種改良に携われる人材の育成などが注目されています。犬、猫、小鳥など飼育動物を診る動物病院、動物園、牛、豚、鶏などを扱う畜産業などで活躍したい人にオススメです。
看護学部
看護師や保健師、助産師を養成する学部が「看護学部」です。医療系の学部・学科に共通することとして、看護師になるには看護学部または看護学科を卒業することと、看護師の国家試験に合格することが必須です。
保健師、助産師も同様で、看護学部または看護学科を卒業することと、保険師や助産師の国家試験に合格することが必須です。看護師または保健師の資格を持つことと大学で教員養成課程の単位の取得を両立すれば、学校の養護教諭(保健室の先生)になることも可能です。
チーム医療の中心となり、医療の最前線で働きたい人にオススメです。
医療保健学部
医療と健康、福祉に関する分野を統合した学部が「医療保健学部」です。診療放射線技師・臨床検査技師・理学療法士・作業療法士などを養成します。看護師と同様に、医師の指示に基づいて活動するための専門知識と技術を学びます。どの資格も、学部の卒業とそれぞれの国家試験合格が必須です。「チーム医療」の一員として、知識と技術はもちろんのこと、病院の中で多数の医療スタッフとコミュニケーションをとっていきたい人にオススメです。
近年は、栄養学科を含める大学が増えています。管理栄養士や栄養士として学校や病院の給食作りを仕事にしたい人にオススメです。
薬学部
新しい治療薬の開発や製造方法など、薬に関係する高度な専門知識を学ぶのが「薬学部」です。薬学部の中の「薬学科」は、医学部、歯学部、獣医学部と同様に6年制です。薬剤師になるためには、学部の卒業と薬剤師の国家試験の合格が必須です。
また、「薬科学科」は研究者を目指す学科で、4年制です。薬剤師免許は取らず、製薬企業の研究職に進む人が多数います。大学院へ進学してから研究職に就く人もいます。
病院や研究施設、ドラッグストアなどで薬に関わっていきたい人にオススメです。
健康科学部
身体を動かす機能面を中心に、体づくりと長寿社会での健康管理を学ぶのは「健康科学部」です。「生涯スポーツ」という言葉に代表されるように、一般の人々の間にも健康志向は高まっています。地域社会にも専門的な知識や技術を持つスポーツ指導者やインストラクターなどが必要とされています。
医療系の要素を持ちながら、社会学や教育学の側面もあります。
競技スポーツに関わる業務や運動施設のインストラクター、スポーツ用具の店舗の販売員、スポーツ用具のメーカーの研究と開発、福祉施設のリハビリに関わる業務に就きたい人にオススメです。
文部科学省・今後の高等教育の将来像の提示に向けた論点整理
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/042/siryo/__icsFiles/afieldfile/2017/12/27/1399988_02.pdf
【学部選び】の注意点
学部を選んだら、今度はどこの大学で学ぶかを考えましょう。
「何がなんでも〇〇大学に入りたい!」という特定の大学に強い思い入れがある場合を除き、自分に適した学部・学科を選び、その学部・学科がある大学を探すのが賢明です。
確かに企業の新人採用において、学部を問わず特定の大学の枠を設けている企業も実際にはありますが、近年はまず人物本位で採用する企業が多いです。就職先を考えた上で大学の名前を優先したいという選び方も否定はできませんが、大学はそもそも学問をする場であるという大前提を忘れずに受験校を探すことが大事です。
学部の偏差値と大学の偏差値は違うの?
大学には「偏差値」があります。そして、学部にもそれぞれ偏差値があります。この偏差値を調査して発表するのは予備校などで、大学が自ら発表するものではありません。
大学の偏差値は入試の難易度が難しい学部から易しい学部まで全てを合計し、学部の数や学生の人数で割って計算しています。元になるのは公開模試などで、その結果を中心に計算します。つまり、自分の実力は変わらなくてもその試験を受ける母集団が違えば偏差値の数値も違ってきます。
大学で入学する学部は、必ずしもその大学の標準的な学力レベルとは限りません。
例えば、中央大学を例に挙げると、平均の偏差値は大体「59〜60」という数値になっています。中央大学の看板は法学部で、合格圏の偏差値は「65」くらいです。その一方で、文学部と商学部は「55」でも入れる可能性があります。同じ大学でも数値の幅が最大で10程度も違っています。
これは決して珍しい事例ではありません。その学部の人気だけでなく、諸々の事由で偏差値が上下する場合があります。例えば募集人数が多い・少ない、近隣に似た学部・学科がある・ない、卒業生の就職が好調・不調である、記念受験も含めて一応受けておこうという受験生が多い・少ない、などで偏差値も変化します。
自分の向き・不向きを見て学部選びをすることが賢明ですが、オールマイティでどの学部でも適応する能力が高い人は、好きな大学の様々な学部を次々と受験していく、という方法もなくはありません。
珍しい学部は!?
一般によく知られる学部は紹介しましたが、それ以外にも全国にはなかなか聞かないような珍しい学部もあります。そういう希少価値の存在は、考え方によっては他の人が身につけられない知識や技術、体験を得ることができます。
その一方で、そういう珍しい学部が他の大学には滅多にないということは、社会的な需要が少ないとも考えられます。特定の方面で就職しやすい代わりに、その方面以外では就職しにくいかもしれない、ということも確認しておきましょう。
近年は専門学校にしかなかった分野が大学にも新たな学部として設置されてきています。資格の取得も含めて高校生の段階から考えてみるのも進路選択では大切になります。
まとめ
今回は、大学の様々な学部について紹介しました。また、その学部がどのような人にオススメできるかを紹介しました。大学の受験は英検や漢検と違い、何点以上なら合格という確かな基準がありません。あらかじめの推薦枠などを除くと、端的にいえばその学部の募集人数内に自分の順位が入っていれば合格です。
受験で必要な科目だけでなく、入学後の学習内容や研究課題などを検討して受験する学部と大学を探していきましょう。