大学には、「看板学部」をPRしている学校が幾つもあります。
また、特に強調していなくても、受験生や入試関係に携わる人々、特にネットにおいて受験に関係あるサイトで「〇〇大学の看板学部は□□学部だ!」と勝手に(?)認定されてしまうこともよくあります。
最も多い例は、昔からその学部が有名で、どこかが改まって看板学部はコレです、と言わなくても大多数が「この大学は工学部が看板でしょう」というように自然に認識しているところです。
今回は、「大学の看板学部に行く○つのメリットとは?」のテーマでマナビバが調査し、説明します!
看板学部に行くメリット4選!
- 看板学部は施設も教授陣も充実している
- 合格を目指すだけでも学力が上がる
- 就職で有利なことがある
- 有名なので覚えてもらえる
看板学部に行くと、様々なメリットがあります。
少なくとも、その看板学部を目指していたのに同じ大学内の別の学部に行く場合や、看板学部に入れなかった時に難易度の低い別の大学の同じ学部に行く場合など、何らかの譲歩をするよりはずっと大きいメリットを得られます。
では、順番に見ていきましょう。
<看板学部は施設も教授陣も充実している>
大学がメインに据える看板学部は、その大学が国内の最高学府としての存在価値が問われる名刺代わりのようなものと言えます。
したがって、その看板学部には優秀な教授が集まります。研究施設にも大学の予算をふんだんに使い、学生に十分すぎるくらいの空間や資料、材料を提供してくれます。
看板という割には大したことないな、などと思われないように大学側も少々の無理を惜しみません。
本来の勉強とは別の面でも看板学部の自負が見え隠れすることもしばしばで、その看板学部の玄関ホールや休憩・交流のロビーだけ自販機が豪華だった、などの話は珍しくありません。
その他、同じ大学で他学部の学生たちからは「いいなぁ」「スゴイね」などと褒められたり羨ましがられたりチヤホヤされたりと、一目置かれるような扱いをされることは茶飯事です。
他の学部生から尊敬の眼差しで見られることがメリットかどうか微妙ですが、やはり努力して合格したことが認められた結果と言えます。
<合格を目指すだけでも学力が上がる>
目標とする好きな大学があるものの、特に学問分野や学部に拘りがなく、勉強科目に得意と不得意の差がない人なら、その行きたい大学の看板学部を目指すのもアリでしょう。
自主性が全然なくて困っているという人は少し考えものですが、大学に入学した後の学習事項や学生生活のこともよく考えた上で看板学部を選んだのであれば、受験勉強の目標としては相応に難易度が高めの所にチャレンジすることになります。
行きたい大学があり、まず最も難易度の高い看板学部に合格する計画を立て、受験勉強に邁進していけば、もしも第一志望に合格できなくても大きなダメージを受けずに第二志望の他の学部に合格できる可能性は十分にあります。
<就職で有利なことがある>
「看板学部」は世の中でも知名度が高く、その出身者は伝統的、統計的にどれくらい有能であるかを認知されていることも度々です。
少なくとも受験勉強で努力した人、というイメージを持たれやすいことが考えられます。大概は難しくて簡単には受からない所と思われているのが「看板学部」のひとつの特徴です。
実際に卒業生で知っている人がいれば、その卒業生と同じくらいのレベルで仕事もこなしてくれそうだ、という本人主体ではない肩書きのイメージから優位にいることは十分に考えられます。
特に工業や生物分野で研究や開発に携わってきたOB・OGが多数いるような看板学部なら、企業の先輩から声がかかる事例が幾度となくあります。また顔の広い教授や就職担当のプッシュもあり、そういう規定のルートで就職できる人が多くいます。
また財務管理など責任の重たい部署や、企業の根幹に関わる法規的な分野に関わる業務でも、「看板学部」が力を発揮します。法学部や経営学部を看板とする大学は、その方面に多くの卒業生を例年送り込んでいます。
「飽くまでも人物本位で、出身の大学名はチェックするが学部名までは見ていない」とする企業の人事部もあります。しかし、それは一般職であったり出身学部よりも本人のヤル気や入社後の努力が問われる営業職であるなど、畑の違う所の声です。
<有名なので覚えてもらえる>
「看板学部」の知名度は、単に有名というだけではありません。それなりのレベルの勉強をしてきた人、という認知のされ方で通ることが多々あります。
自己紹介だけでなく、本人のいない所でも「ああ、あの〇〇大学□□学部の人ね」という使われ方をします。いちいち学校の名前がついて回るのを快く思わない人がいるのも実情ですが、実際に学校名がずっとついて回ってしまうのもまた実情です。
もちろん、無名の学校でも何でも全てが出身校を話題にされるものではなく、多くの人たちに話が通じるからこそ「ああ、あの〇〇大学□□学部の人ね」となります。
ビジネスで相手先の人との小さな話のネタになったり、「どれくらい試験は難しかったの?」「合格するのに毎日何時間くらい勉強したの?」「ねえ、大学の中はどんな感じなの?」というトークの材料として色々な人から質問されます。
就職に有利かどうかという人生の浮き沈みに関わるような大きなものではなく、話のネタになったり、人に自分を覚えてもらう手がかりになる程度ですが、これもメリットになるのは「看板学部」ならではです。
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なぜ看板学部になったのか
そもそも、「看板学部」はどのような経緯で看板になったのでしょうか。
まず、歴史と伝統に根づく昔から有名な学部で現代まで続いているところがその大学の看板学部になっていくのが自然な流れです。法律の専門学校が明治大正時代に大学に変わると、当たり前ですが最初は法学部が看板になります。
無理に何らかの操作をしてまで看板に仕立て上げるというのはおかしな話なので、やはり歴史と伝統の重みは簡単には変えられません。
受験生にとっても、「昔から実績があるから歴史と伝統が積み重なり、自然と有名になった学部なら、ぜひその学部に行ってみたい!」と思う人も多くなります。
有名だから人気も出てきて、その結果、志願者が多くなり、受験の倍率が高まります。入試の偏差値はそれに伴って高くなります。入試の偏差値が高いということは、当然ながら学力が高いことにつなります。
また、その大学を特徴づけるような要素を持つ学部も看板学部になります。その学部の存在感や目立ち具合、他の大学には見かけないような学部があると、いつの間にか看板学部のイメージが出来ていることもあります。
例えば20世紀では、まだ新しかった国際〇〇学部、人文系と社会系を合わせたり文系と理系を融合させた総合〇〇学部、 観光系学部、健康スポーツ系学部、などが脚光を浴びました。
そして21世紀に入ると情報系学部、一般教養を進化させたリベラルアーツ系やネイティブ授業をメインに据える国際教養系の学部、医療専門学校での資格取得が主流だった医療系が大学の学部として急増します。
このような時代のニーズによって登場する学部は、注目されて印象に残ります。近年では危機管理に関わる学部が有意義であるとの見方も増えています。
しかしながら、「特にココの学部がその大学を代表する学部だ!」と言える決定的なものがない場合は、やはり偏差値の高い学部を看板学部と見る向きも大きいです。
近年は、ネットの受験生の掲示板などでは「その大学の難易度No.1」=「看板学部」というような同義語として用いられていることがよくあります。
もちろん、その大学の中で最も偏差値が高い学部を看板学部と見るのも決して間違いではありません。数値というハッキリした指標なので、ある程度は納得できます。
その一方で、医学部など難易度が高いのが当たり前の学部もあります。
偏差値が高い学部を看板学部にしてしまうと、理系は医学部と歯学部、薬学部ばかりが看板学部になります。文系は上位校から中堅校、さらに難易度が低めの大学なら大体は法学部が看板学部になる可能性が濃厚になります。
以上の傾向をまとめると、
- その大学で最もよく知られている学部
- 偏差値とは別に魅力や価値のある学部
- 開学当初に設置した最初の学部
- 他の大学より先に設置して有名になった学部
- その大学で最も学力が高い学部
などが「看板学部」の特徴として挙げられます。
これらを見ると、面接などで志望理由を聞かれたときや、知人や友人との会話などで「どうしてこの大学のその学部に行ったのか」という話題になったときに違和感なく答えられるのが上記の看板学部の特徴です。
どれも説得力があり、あとはその学部と自分とのつながりを説明できれば話を聞いた相手も納得するでしょう。
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看板学部に行くデメリットはないの?
看板学部に行くのはメリットばかりのようですが、ではデメリットはないのでしょうか。
- よく調べず入学して授業が思っていたのと違い、面白くない
- 自分との関連がなく、ただ有名というだけで選び、自主性が問われた
- 看板にこだわるあまり、受験で膨大な時間と労力を使いすぎて潰れた
- 一生その看板にすがりついて昔の自慢ばかりするようになる
以上のようなマイナスの面もあるにはあります。
「看板学部」に魅力を感じたり、自分もその一員になりたいと思うのは決して悪いことではありません。また、そこに自分の可能性を見出して将来につなげようとする考えも理解できます。
ただ、それを目指す自分がどんな人で、どんなことをやりたくて、将来はこんな道に進みたい、という具体的なプランが全く無く、単に肩書きとして自分のスペック指標のような意味でしか看板学部を見ていない場合は、少々の問題が残りそうです。
就職で有利だったり、自分のことをわかりやすく覚えてもらえるなどの、周囲との関わりに旨味を得ようとする動機は、自分のことを考えた上でのことならば、必ずしも悪いことではありません。
ところが、例えば法律に興味がないのに無理やり看板の法学部に進んだなど、自分に合わないことを強引にやってまでして看板学部へ行くと、後から自分が困ることになります。
確かに看板学部は大学が特に注力して設備を充実させたり、名物教授がいたり、けっこう年代が上の先輩までOB・OGや同窓生のつながりがあるなど、なにはともあれ「長いものには巻かれろ」を地で行ったようなメリットが沢山あります。
そのメリットよりも、デメリットが上回るようなことがもしあるなら、それは大学の勉強についていけなくなることや、研究課題に興味関心が湧かずつまらない学生生活になるこです。
仕舞いには留年や退学にでもなれば、それこそ元も子もありません。退屈でいい思い出の残らない苦痛な学生生活に陥ってまでして「看板学部」を求める必要はありません。そこは少し考えたほうがいいかも知れません。
そこにたどり着くまでの努力が度を越して疲弊して心身がボロボロになったり、「卒業後の頼りは学歴だけ」という情けない見られ方をされてしまったり、看板学部で何の勉強もせずに大学合格がその人の人生のゴール、のような今後に上向きの芽が出ないようなことは避けたいです。
まとめ
今回は、「大学の看板学部に行く4つのメリットとは?」のテーマで書き進めました。
大別して、
- 看板学部は施設も教授陣も充実している
- 合格を目指すだけでも学力が上がる
- 就職で有利なことがある
- 有名なので覚えてもらえる
以上の4点がメリットと言えます。
このように有利な「看板学部」ですが、そうなる経緯がキチンとあるため、受験生だけではなく一般社会でもよく知られる所となっているようです。
それは、「看板学部」というものは、
- その大学で最もよく知られている学部
- 偏差値とは別に魅力や価値のある学部
- 開学当初に設置した最初の学部
- 他の大学より先に設置して有名になった学部
- その大学で最も学力が高い学部
このような経緯と特徴があるからです。
自分が学びたい分野の学部を選び、その学部を有する多数の大学の中で最もやりがいを感じる大学に進学するか、またはその学部を「看板学部」として謳っている大学の中から最も入学してみたい大学に行く、という進路選択がオススメです。
行きたい大学が先にあり、その中で看板学部にチャレンジしてみる方法も、その人が学部や将来に拘りがなくオールマイティーに対応可能な人ならば、その方法もなくはありません。
希望している「看板学部」に進むことができたなら、非常に有意義な学生生活を送れます。また就職など将来も見えてきます。「看板学部」について、調べておいても損はありません。